新潟市立鳥屋野中学校

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校旗と旗揚げ


鳥屋野中学校の校旗は生徒の活動がある日は毎日揚げられます。


鳥屋野中学校の校旗です。鳥屋野中学校では、クラスごとに、この校旗を揚げる人を決めて、クラス順にこの校旗を揚げています。ここで校章について少しご紹介します。

わが校の校章は、昭和十四年旧制新潟私立新潟中学校(現新潟県立新潟南校等学校)の校章として制定されたものを、わが校が発足すると同時にこれをうけついだものです。これは、鳥屋野中学校の前身新潟市立第四中学校が新潟市立新潟高等学校(現新潟県立新潟南校等学校)内に併設されたことに由来します。

港町新潟と大河信濃川の流れを象徴する錨を、力強い中の字に型どったものです。このいわれある校章も「堅忍(がまんずよくやりぬくこと)」と「躍進」とを啓示した先輩たちは「ファイト、アンド、ベスト」を合言葉にがんばり、誇り高く歩みつづけてきました。

この校章は、生徒手帳やネームプレートなどに、ついています。この校章は、鳥屋野中学校の誇りといってもいいです。この旗は一日一日別のクラスの生徒が、旗に思いをこめながら揚げています。

毎日の旗揚げが始まったのは昭和60年からです。当時の校長先生の嘉村正規先生の提案で始められたものです。(下記の文書参照)

最初の旗揚げに用いられた一号旗は昭和59年度の卒業生の卒業記念品でした。この旗は学校の2階に二号旗、三号旗とともに展示されております。下の写真の手前が一号旗です。一号旗は昭和60年4月から昭和61年3月、二号旗は昭和61年4月から昭和62年の3月まで、三号旗は昭和62年4月から昭和63年3月まで生徒の活動がある日は毎日欠かさず揚げられたものです。二号旗、三号旗もそれぞれが卒業記念品です。

見てのとおり1年間毎日のように掲げられたため旗の端は風のために千切れてしまっています。第一号旗の左下には嘉村校長先生の自筆で、中央の二号旗には同じく嘉村先生がワープロで打たれた次のような文章があります。


  『昭和五十九年度卒業生の記念の校名旗である。この校名旗は、屋上のポールに日日揚げるためのものである。諸君は、甲子園の高校野球大会で勝ったチームの校名旗が校歌共に高々と揚げられるあの感動的な場面を想い出すことができるだろう。選手諸君は、あの瞬間自分の学校の旗に心を集中する。応援した諸君も、その時、旗に想いをこめて一点集中「わが校」をしみじみと考える。歌われる校歌は、自分の学校の魂の響きである。

 私は、鳥屋野中学校の心をこの旗に集中したい。母校に寄せる卒業生の心が込められているこの旗に、本日、今、在校生諸君の心を融合させたいのである。今日の全校集会はその意味で旗に魂をこめる儀式である。

 この旗は、諸君が学校で活動する日は必ずポールに掲げられて諸君を見守る。この旗は諸君の活動の象徴としてはためくものである。そういう旗にしたいのである。

 雨の日も、風の日も、そして雪の日も、諸君が学校にいる限り一日も休まずこの旗を揚げ続けたい。

 強風にはためく鳥屋野中学校の旗は、困難に耐えて、それを乗り越える諸君の粘り強さを示す。雨や雪の降る日、濡れて翻る旗は、厳しさにうち克つ諸君のがんばりと意地を示す。風のない日、真夏の太陽の下で暑さに耐える旗は、中学生の勉強する姿の本領を発揮しているように把えたい。心の奥で静かに問題を解く諸君の真剣さを示す姿であると把えたい。

 母校は心のふるさとである。この旗は母校に寄せる卒業生の記念品である。

 諸君よ、この旗を仰ぐことができないような恥ずべき言動を慎め。はためく旗を仰いで正々堂々、日々の活動に全力を発揮せよ』

 昭和五十九年三月二十二日、終業式の講話である。あれから三年たった。校章を染め抜いたこの旗は卒業生が卒業記念に学校に贈った第二号旗である。昨年四月の初日から、生徒諸君が学校で活動する際には、一日も休まず掲揚されてきた。

 春、夏、秋、冬、屋上に翩翻(へんぼん)として、鳥屋野中学校の生徒諸君の意気込みを象徴し、倦(う)むことを知らず諸君を鼓舞激励してきた。

 一年の歳月は長く厳しい。風雪に裾(すそ)を千切られ、雷雨に校章の色流れ、吹雪の中で絡んだ紐も凍りつく。けれどもこの旗は凛然と三月の最後の日まで掲揚されてきた。

 この旗が耐え抜いた一年間は、諸君が鳥屋野中学校でがんばり抜いた一年間と並び重なるのである。諸君の大部分はこの旗に恥じない正々堂々全力を発揮して過ごした一年間であったろう。しかし、諸君の中には、少数ではあるが、人間のわきまえを忘れて心の裾(すそ)を千切られたり、誘惑に負けて三つの悪に流れ落ちたり、友達や先生の心を解し得ないで、かたくなに心を閉ざしたものもいた。

 今、改めてみんなでこの旗を見よ。この旗は諸君一人一人が身代わりの旗である。

 昭和62年度の出発に当たって、一人一人がこの旗とむき合いしっかりと対話してもらいたい。

 諸君、ふり返って、勉強に悔いはなかったか。集団生活の中で身勝手なふるまいはなかったか。嘘、盗み、暴力、心に傷はつけなかったか。放課後の練習に遊び気分や、感情のもつれをもちこまなかったか。

 この旗は、第一号旗と同じく、校内に掲げ長く保存し心の支えとしたい。

 今、第三号旗が屋上に翻った。新しい出発である。新しい旗の下で全生徒諸君、勉強に運動に全力投球、フェアプレーをせよ

昭和六十二年四月六日
校 長 嘉村 正規